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講義No.10443

体の動きを科学する「スポーツリハビリテーション」

けがの原因を突き止める

 スポーツリハビリテーションの主な目的は、選手のけがの治療と予防です。けがの回復だけでなく、同じけがが再発しないよう原因を正確に突き止めることも大切です。例えば足の裏にある土踏まずは、人間が4足歩行から2足歩行に進化する過程でできた部位です。本来は弓なりの形をしていますが、いわゆる扁平足と呼ばれるような平らな形になっている人もいます。これまでの研究において、扁平足の人は運動中により大きなストレスが足に発生することがわかりました。この状態で足を酷使し続けると、足の裏のじん帯や足底腱膜の損傷、疲労骨折といった「使いすぎ症候群」につながるため、足の裏の筋肉を鍛えることが有効であるとされています。

三次元動作解析

 近年の研究にはさまざまなテクノロジーも取り入れられています。例えば三次元動作解析装置は、赤外線だけを反射するマーカーを体に取り付けた人の動きを、十数台のカメラでいろいろな角度から撮影します。それぞれのマーカーがどの位置にあるのかという座標情報がコンピュータに送られ、これを解析することで、各関節が動いた角度や、そこにかかったストレスの強さも正確に算出することができます。例えばジャンプした後、膝がつま先よりも内側に入った状態で着地すると、まっすぐにそろえて着地するよりも膝に加わるストレスが大きくなり、けがにつながりやすい、といったことが科学的に証明できるようになりました。

動きを正確に「見る」こと

 こうした機器類は、より高性能化かつコンパクト化が図られており、将来はスポーツの試合や練習の現場にも持ち込めるようになるでしょう。そうなれば実際の選手の動きをその場で測定し、よりダイレクトに指導やけがの予防に役立てられます。スポーツを支える医療職の中でも、医学や運動学といった専門知識をベースにしながら、最新のテクノロジーも導入して体の動きを正確に「見る」ことができる点こそ理学療法の大きな特徴であり、強みであるといえるのです。


この学問が向いているかも 理学療法学、スポーツ医科学

県立広島大学
保健福祉学部 理学療法学科 助教
岡村 和典 先生

先生がめざすSDGs
メッセージ

 私はスポーツリハビリテーションを専門にしていますが、時には脳卒中を患った方のリハビリに携わることもあります。一見、自分の専門分野とは遠いようですが、ここで脳の機能や運動との関わりを勉強したことが、後にスポーツの分野に役立つこともあります。
 何かやりたいことがあるのはいいことですが、それだけをやればいいわけではありません。あなたも少し広い視野をもってやりたいことだけではなく、高校生の今やらなければならないことも同時に頑張りましょう。

先生の学問へのきっかけ

 私はスポーツリハビリテーションを専門にしています。小学校からサッカーをやっており、高校では比較的練習量の多い環境でプレーしていました。そこでは全員が同じメニューの練習をしていましたが、けがをする選手としない選手がはっきり分かれること、また自分も含めけがをする選手は同じところを何度もけがをするということに気づきました。こうした経験が現在の専門分野に進んだきっかけです。現在は大学での研究と病院での臨床、またFリーグ所属のフットサルチームなど、幅広い分野でリハビリテーションの可能性を追求しています。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

理学療法士/日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー/公立・私立の大学病院や一般病院、施設/国体や日本リーグに参加するスポーツチーム/高校や大学の部活動

大学アイコン
岡村 和典 先生がいらっしゃる
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 県立広島大学は、教育、研究、地域貢献、国際交流のいずれにおいても公立大学として一級の大学になっています。「主体的に考え、行動し、地域社会で活躍できる実践力のある人材の育成」を目標に、教養教育では、大学4年間の学士課程教育を通じて実施する「全学共通教育科目」を設定するとともに、専門教育においては、教養教育との連携を図りながら、「専門科目」を系統的に設定することにより、バランスのとれた教育内容を提供していきます。

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