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講義No.10440

買い物に安心を~消費者や中小企業を守る独占禁止法~

公正かつ自由な競争を守る法

 安くて品質のいい商品が売られている背景には法律があります。例えば独占禁止法は企業が守るべき法のひとつで、「公正かつ自由な競争」を促進して消費者や中小企業を守ることが目的です。事業者は自由に商品の値段を決める権利を持っていますが、複数の企業で取り決めをして価格を一定にする「価格カルテル」を結ぶと、価格競争が発生しなくなります。そこで独占禁止法では価格カルテルや公共事業の入札談合を禁止し、公正かつ自由な競争を実現させています。

企業と消費者が対等になるために

 独占禁止法は需要と供給のバランスによって価格を決定するという「市場メカニズム」を正常に機能させるためにも必要です。企業同士が競争すると商品は高品質で低価格になるため、消費者にも企業にもメリットがあります。しかし弱肉強食による自由な競争だけでは、立場の強い大企業だけがメリットを独占しかねません。そこで必要になるのが取引の対等性を保つための法律です。企業と消費者の取引は対等に見えますが、実際は有している資産や情報などに大きな差があり、消費者は弱い立場に置かれてしまいます。国は法律を定めることで弱者に対して人・お金・情報を支援し、疑似的に強者と対等になる力を与えています。

弱い立場の人を守る独占禁止法

 独占禁止法ではカルテルなどで価格の統一をしてはいけないと定めていますが、書籍やCDなどの例外もあります。これらは適用除外と呼ばれ、知的財産権を守るために価格帯が決まっています。価格競争により作品が低価格化してしまうと作家やアーティストが十分な収入を得られなくなってしまうからです。ほかにも独占禁止法では力の強い企業が立場の弱い中小企業に対して、商品を店舗に置く代わりに協賛金を求めるといった優越的地位の濫用も規制しています。また、広告の虚偽表示を禁止するなど消費者の利益を守るための項目もあり、誰もが公正かつ自由な取引を享受できるよう法が作られていることがわかります。


この学問が向いているかも 経営法学、法学

東北文化学園大学
経営法学部 経営法学科 准教授
秋山 まゆみ 先生

先生がめざすSDGs
メッセージ

 人が2人以上集まるとルールが生まれます。商品を買ったらお金を払うなど、日常の中で自然と身につく法規範がある一方で、独占禁止法など自ら勉強しなければ覚えられないルールもあります。こうした法律は、大学でこそ学べる分野のひとつだと思います。
 ゼミやフィールドワークなどで現場の声を聞く機会もあるので、あなたは誰を守りたいのか、そのためにはどのような法律が必要かなどを積極的に考えてください。社会で実践されている血の通った法律を学びたいと思うなら、ぜひ経営法学部で一緒に勉強しましょう。

先生の学問へのきっかけ

 最初は弁護士になりたいと思っていましたが、法律の研究者になればより多くの人を救えると考え、法学者の道に進みました。独占禁止法や消費者法に興味を持ったきっかけは、日米貿易不均衡を是正するために1989年から行われた日米構造協議で、活発な議論を目にして法律への興味が深まりました。大学院時代には経済法・消費者法の研究者たちから影響を受け、取引の対等性や弱者である中小企業を守りたいと強く思います。また、消費者庁設立の際には公務員として関わる機会があり、消費者の権利も守れるようになりたいと感じました。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

官公庁消費生活/消防総務/製薬会社法務/銀行法務/スポーツメーカー研究員

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秋山 まゆみ 先生がいらっしゃる
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 東北文化学園大学は、仙台・国見の丘にキャンパスを持ち、医療・福祉・社会・経済・工学・情報の幅広い学びができる総合大学です。「実学教育」を教育理念に掲げ、専門職業人を育成する大学です。2021年4月から新しい学部を設置し、学際的な教育環境がさらに充実します。また、「キャリアサポートセンター」の就職支援と相成って、例年高い就職率を誇り、卒業生は各業界で高い評価をいただいています。

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