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講義No.10437

古い建物を生かす「リノベーション」の可能性

ストック時代のリノベーション

 日本には、これまでつくられてきた素晴らしい建物や技術、文化といった「ストック」がしっかりと残っています。一方、右肩上がりに経済成長する時代は終わり、人口は減り続けています。そんな時代の建物に求められる要素は、新しさだけではありません。古い建物を改装してコワーキング(共用労働)スペースにしたり、シェアハウスにしたり、民泊にするなど、既存の建物を柔軟に活用する「リノベーション」が、より求められるようになっています。

服を選ぶように建物を選ぶ

 例えば、賃貸物件のリノベーションでは、古いマンションの外枠を残し、部屋の間取りやデザインを柔軟につくり変える事例が増えています。画一的な新築物件にはない、自由度の高さやレトロな雰囲気を求めて、若者や子育て世代、店舗経営者やクリエイターなど、たくさんの人が集まってきます。不動産業界では、築年数が長いほど価値が下がるという常識がありますが、リノベーションマンションの中には新築マンションと変わらない賃料を得られるケースもあります。ファッションの分野では、最新ブランドだけでなく古着のリペアやビンテージデニムを楽しむ人もいるように、建物も自分らしいライフスタイルや働き方に合わせて選ぶ時代がきているのです。

リノベーションと地域活性化

 新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに、リモートワークが普及し、一部の企業には都心にオフィスを構えることを見直す動きもあります。一方、地方では空き家や空きテナントが増える「箱あまり」がどんどん進んでいます。そんな時代に、リノベーションはますます普及していくでしょう。
 また、リノベーションした建物を拠点として、多様な働き方やライフスタイルがかなう環境を整えることは、その地域の価値を高めることにもつながります。それがやがては、外から人を呼び込んだり、ほかの地域に移った人を呼び戻したりする原動力にもなり、人口流出に悩む地方都市を救う可能性もあるのです。


この学問が向いているかも 都市計画論、再生活用リノベーション学

九州産業大学
建築都市工学部 住居・インテリア学科 准教授
信濃 康博 先生

先生がめざすSDGs
メッセージ

 現在、日本では人口減少にともなって、空き家や空きビルが急速に増えています。これらを、単なる使い古された建物として見るのではなく、クリエイティブな空間であると考えてみてほしいのです。
 実際に、日本中で空き家をリノベーションし、これまでにない住宅やオフィス、あるいはコミュニティの拠点として活用する例が増えています。そうした意味でも、空き家こそがこれからの時代をつくり、時代のフロンティアになっていくと考えています。

先生の学問へのきっかけ

 私は、都市計画やリノベーションを専門にしています。子どもの頃から映画や漫画が好きで、中でもSFものに登場する秘密基地や未来の建物に強い関心を抱いており、大学進学時も建築工学科に進みました。卒業後は、尊敬する建築家のもとで修業を積んで、のちに独立。たくさんの建物をつくっていく中で、マンションなど古い建物を活用するリノベーションの仕事にも取り組みました。やがて大学から声がかかり、現在は自身の設計事務所で建築・設計の仕事をしながら、学生たちの教育や研究にも取り組んでいます。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

住宅メーカー 住宅設計・営業/不動産・デベロッパー企業 開発/商業施設設計施工会社 店舗設計

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信濃 康博 先生がいらっしゃる
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 九州産業大学は、文系・理学系・工学系・芸術系の9学部21学科、大学院5研究科から構成される総合大学です。
 本学が位置する福岡市は、グローバル化と情報化の下でアジアに広く開かれており、この地域社会に根づいた教育重視の大学をめざしています。
 本学では、多様な課題に取り組む「実践力」とそれを持続可能とする「熱意」その基盤となる「豊かな人間性」を持つ人材育成を教職員が一体となり日々実践しています。

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