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講義No.10427

食品の成分が体に及ぼす作用のメカニズムを解明せよ

証明が難しい食品の健康効果

 何気なく食べている食品が、健康に少なからず影響があることは、多くの人が実感しています。ところが、そのメカニズムについての科学的根拠(エビデンス)は、十分に解明されているわけではありません。
 薬剤は、どのように人体に作用して治療効果があるのかについて、エビデンスが明確です。それに対して、食品の健康効果や病気予防の有効性は、エビデンスを明らかにすることが難しいのです。食品に含まれる成分は毎日少しずつしか取れませんし、作用が穏やかなので、影響が現れるまでに長い時間が必要だからです。

糖尿病の進行を抑制する食品

 しかし、健康効果とそのメカニズムが解明されてきている食品成分もあります。例えば、キノコと糖尿病や高血圧などの生活習慣病との関係です。人間の体は、歳を取るにしたがって鉄のようにサビついてきます。人間の体のサビは、活性酸素による酸化ストレスによって進行します。糖尿病は、血液中の糖を取り込む細胞の膜がサビついて、十分に糖を取り込めなくなることで悪化します。高血圧も、血管の壁がサビてきて、弾力を失うことで進行します。このサビを抑える作用を、特定のキノコの菌糸体を培養した時の培地にある成分が持つことが、そのメカニズムとともに解明されてきています。

食品成分がDNAにも影響

 脳梗塞(こうそく)やがんに対する食品成分の効果についても研究が進んでいます。中でも、食品がDNAの変化に作用し、がんに影響することがわかってきています。がん細胞の発生は、さまざまな要因でDNAが損傷することが原因の1つです。人間の体は、傷ついたDNAを絶えず修復していますが、修復の過程におけるタンパク質の発現パターンが、その人が食べているものに影響され、がんを発症しやすい人としにくい人の差につながっているというのです。そうであるなら、食生活のちょっとした工夫で、がんの予防につながるはずです。
 このように、食品成分の解明は、人類の健康に大きく貢献することは間違いありません。


この学問が向いているかも 薬学、医療栄養学

城西大学
薬学部 医療栄養学科 准教授
神内 伸也 先生

先生がめざすSDGs
メッセージ

 毎日の食事の内容を少し工夫することによって、病気を予防することができれば、人類の未来に大きく貢献できるでしょう。食事は日々の積み重ねですから、影響は小さくありません。ところが、食品のどんな成分が、どのように人間の体に作用するのかは、まだ科学的な根拠が十分に解明されていません。そのため、健康に良い食品が十分に活用されていないのです。
 私たちは、薬学の手法を取り入れて、食品成分の機能を科学的に明らかにしようと研究を重ねています。興味があるなら、ぜひ一緒に学び、研究していきましょう。

先生の学問へのきっかけ

 高校生のとき、新しい薬を開発して病気を治す学問をしようと考え、薬学部に進みました。大学で学ぶうちに、薬が効く・効かないという現象以上に、「人間はなぜ病気になるのか」を研究することに引きつけられました。中でも、食べ物などの環境因子によってDNAの構造が変化し、発病につながる可能性があることに驚きました。食べ物が人間の遺伝情報に作用し、病気の一因となるのなら、そのメカニズムを明らかにすることで、食べ物で病気を予防することができ、人々が日々の工夫でより良い未来を手にすることが可能になると考えたのです。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

病院管理栄養士/行政管理栄養士/薬局管理栄養士/食品会社研究開発/製薬会社MR/製薬会社研究開発/起業フリーランス/自治体公務員/栄養教諭/保育園管理栄養士

研究室
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神内 伸也 先生がいらっしゃる
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 城西大学は、文系・理系・医歯薬系の5学部8学科で構成された「国際性」・「専門性」を学べる総合大学です。
 建学の精神「学問による人間形成」に基づき、「社会が発展するために必要とされる人材を育成することによって、人類の福祉に貢献すること」を大学の理念として発展してきました。この理念は今も受け継がれ、広い知識と深い専門性を学ぶことを通して、国際社会で活躍できる「真のグローバル人材」を育成します。城西大学は、頑張るキミを応援します!

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