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講義No.10422

がん患者に有効な看護サポートとは?

配偶者へのサポートも必要

 がん患者はどのようなサポートを必要としているのかを調べるため、40~50代の乳がん患者を対象にインタビューが行われ、配偶者に対するサポートの重要性が浮かび上がってきました。患者自身は、住み慣れた家で普段通りの生活をしたい、家族にはこれまでと同じように接してもらいたいと思っています。その一方で、家族は慌ててしまい、どう接したらいいかわからずに、腫れ物に触るような態度をとってしまうこともあります。特に配偶者は、医療者との接点も少なく戸惑ってしまいます。自分の気持ちを話す機会や場所もありません。患者本人のためにも、配偶者に対する積極的なサポート体制が求められています。

高齢のがん患者に有効なケア

 65歳以上の乳がん患者と、その配偶者を対象にしたインタビュー調査では、配偶者は40~50代に比べ不安定にはならないことも明らかになりました。これまでにもいろいろな状況をふたりで乗り越えてきており、がんもその中の1つ、ととらえられるほど豊富な人生経験があるからです。お互いをサポートしあえる関係性もできており、こうした高齢の患者には、配偶者による、体に触れるタッチングという手法が有効であると報告されています。痛いところを左右交互にトントンと優しくたたくタッピングタッチや、アロマオイルを使ったマッサージなど、タッチングには症状に応じていろいろな方法があります。ほかにも「そばにいる」など、非言語コミュニケーションが症状を緩和すると考えられています。

エビデンスに基づくがん看護の実践へ

 信頼性の高いエビデンス(科学的根拠)に基づいたがん看護が求められています。しかし今はまだ、対象となる研究事例は限られています。インタビューによる会話の内容から評価する質的研究と、QOL(生活の質)やサポート、精神的状況などを数値化して評価する量的尺度を使用した、がん患者に対する看護の効果についての研究による探求が必要です。


この学問が向いているかも 看護学

東北文化学園大学
医療福祉学部 看護学科 教授
真壁 玲子 先生

メッセージ

 人を対象にする看護師は、とても面白い仕事です。しかし、もし「周囲の人が薦めてくれたから」という理由で看護師になることを考えているのであれば、看護職がどういう仕事なのか、その内容をきちんと調べてみてください。そしてよく理解した上で看護職をめざしてほしいのです。現実は厳しく、強い気持ちがなければ続きません。
 将来は、あなたのやりたい仕事を選んでください。それが看護職であれば、ぜひ一緒に学びましょう。地道な努力と創造力で必ず目標を実現できるはずです。

先生の学問へのきっかけ

 10代の頃から看護師をめざし、勤務した病院では数多くのがん患者を担当しました。当時、がんの病名は告知されず、本人には例えば、「胃がん」なのに「胃潰瘍」と説明して治療するのがめずらしくありませんでした。そうした状況でがん患者と関わることにさまざまな葛藤を抱くようになりました。そして、もっと看護学を学びたいとアメリカに留学。日本人は「あうんの呼吸」で距離感をつくれますが、それとはまったく異なる対人関係のありようを体験したことが、対人関係とサポートに焦点をあててがん看護を研究するきっかけになりました。

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真壁 玲子 先生がいらっしゃる
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 東北文化学園大学は、仙台・国見の丘にキャンパスを持ち、医療・福祉・社会・経済・工学・情報の幅広い学びができる総合大学です。「実学教育」を教育理念に掲げ、専門職業人を育成する大学です。2021年4月から新しい学部を設置し、学際的な教育環境がさらに充実します。また、「キャリアサポートセンター」の就職支援と相成って、例年高い就職率を誇り、卒業生は各業界で高い評価をいただいています。

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