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講義No.10407

“おいしさ”から健康を追究する

“おいしさ”の正体って一体何?

 人は、味覚によって栄養のあるものと、毒のあるものを区別しています。しかし、おいしさは、味や香りといった要素だけで完結する感覚ではありません。最近の研究で、VR(仮想現実)を使って見た目をだますと、実際には食べていないのに見たものを食べていると脳が錯覚したり、器の重さを変えるだけで満足度が増し、食べすぎをコントロールできたりすることがわかってきました。そう、おいしさは、色や音、匂いや温度、食感といった五感で感じとるだけでなく、お皿の形や料理の名前などの情報、部屋の照明や壁の色などの環境、食べる人の健康状態や過去の記憶といった複数の条件に左右される、とても繊細で複雑な感覚なのです。

キッチン栄養と“おいしさ”

 食品に含まれる栄養素を最大限摂取する方法にはさまざまありますが、健康のためにどんなに体にいい料理を作っても、食べたいと思ってもらえなければ何の意味もありません。つまり、健康や栄養を考える上でおいしさは欠かせない大事な要素なのです。では、おいしさはどうしたら作り出せるのでしょうか。そのヒントは、キッチンにあります。同じ材料でも切り方、加熱温度や時間が違えばおいしさの感じ方は全く異なり、調理法によっては栄養素を無駄にしてしまうことも。このように、おいしさと調理技術、栄養学は密接につながっているのです。

健康と“おいしさ”の関わりを追求する

 おいしさへの欲求が過剰となれば、食べすぎによって健康を損ない生活習慣病になる可能性があります。しかし裏返すと、上手に利用すれば健康に役立つおいしさもあるということです。病院の管理栄養士は、医師の処方のもと個人の健康状態に合わせた献立を考えます。腎臓病で塩分制限のある患者さんには、和食の出汁(だし)のうまみを利用して満足度を高めるなど、調理科学の知識が生かされます。人がおいしさを感じるメカニズムは、まだわかっていないことばかりです。おいしさの健康価値を追求し、食の喜びを感じるための研究が求められています。


この学問が向いているかも 健康栄養学、調理科学、生理学

北海道文教大学
人間科学部 健康栄養学科 講師
山森 栄美 先生

メッセージ

 こんな食事を想像してみてください。白いお皿に数種類の錠剤。その錠剤は、人が生きるために必要な栄養素が全て詰まっている完全食だとしたら、あなたはそれを毎日食べ続けますか? どんなに健康に良いというものでも、人はやはり食に“おいしさ”を求めるでしょう。では、“おいしさ”の正体って一体何なのでしょうか。毎日の食事に意識を集中して探してみてください。食は世界を楽しくし、“おいしさ”には人を元気にする力があると信じています。「もっとおいしくするための工夫」を実践できるようになりましょう。

先生の学問へのきっかけ

 子どものころから食べることが好きでした。外国語大学に進学したものの、日本料理に出会い、美味しさや奥深さに魅せられ、料理人を志します。昼は大学、夜は専門学校に通って調理師免許を取得。夢にまで見た日本料理の料亭に就職したのですが、激務で体調を崩してしまいます。その経験から身体を支える栄養の重要性に気づき、栄養学を学ぼうと決めました。実習で出会った医師から「症状が悪化する前に食べ物で予防できないか考えてほしい」と言われたことがきっかけで、病気を予防する食事や、おいしさと健康の関係性などを探っています。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

食品会社商品開発/病院管理栄養士/学校栄養教諭/行政管理栄養士

大学アイコン
山森 栄美 先生がいらっしゃる
北海道文教大学に関心を持ったら

 北海道文教大学は国際言語・健康栄養・理学療法・作業療法・看護・こども発達の2学部8学科からなり、「実学」「教養」「国際」「地域」という4つのキーワードを掲げた大学です。人と向き合う。人とふれあう。人を学ぶ。人を理解する。それは、あなた自身を磨き、深め、未来のあなたの価値を高めていくことです。時代が移り変わっても、よりよい世界をつくる基本は、人を思い、人に役立とうとする心と行動です。本学は「人」を真ん中に位置づけた学びをとおして、高度な専門知識や技術でけでなく、向上心に富んだ人間性を育成します。

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