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講義No.10388

生きづらさを抱える人に寄り添い働きかけるソーシャルワークの役割

ソーシャルワークの課題

 ソーシャルワークとは、さまざまな生活のしづらさ・生きづらさを抱えている人たちが、より良い生活や人生を送れるように、その人や周囲の社会、そしてその接点に働きかける活動のことです。そこには、生きづらさ故にこれ以上生きていけないと考える人も含まれます。日本では自ら命を絶ってしまう人が年間2万人を超え、15歳から39歳の若者の死因の第一位にもなっています。自ら死を選ぶような状況に直面することは、誰にでも起こり得ます。そうした悩みを抱える人たちをいち早く発見し、適切に働きかけることが大切であり、ソーシャルワークにとって大きな課題といえます。また誰もが悩みを発信しやすく、それを受け止められる社会の実現も重要です。

特別なことではない

 ソーシャルワーカーや周囲の人がリスクに気づくためには、まずは相手の具体的な意図を確かめることが大切です。ここで「私の一言でもしものことが起こってしまったら」と不安に感じる人も多く、重要な質問を避けることでリスクを見逃してしまうケースが懸念されます。しかし、「これ以上生きていけない」と考える人と向き合うのは、特別なことではありません。生きづらさがある人に寄り添い、ともに問題解決に向かおうというソーシャルワークの姿勢は、誰に対しても共通します。こうした心理的な抵抗を含め、適切な働きかけ方を学べる教育プログラムの整備が急務です。

みんなが命を守るゲートキーパーに

 自ら命を絶つリスク因子はさまざまかつ人によって差があり、放置しているとリスクが高まる可能性があります。一方、良い人間関係や生活環境、本人の強み(ストレングス)など、リスクを低減する因子もあります。家族や周囲とつながり、頼ってもよいのだと認識するだけでも、人は孤独感や孤立感から救われることがあります。しかし、精神的に追い詰められると、こころの視野が狭まり、サポートがあっても周囲や状況が見えにくくなります。このため、誰もが「ゲートキーパー」になり、命を救える世の中にしていくことが重要です。


この学問が向いているかも 社会福祉学

武蔵野大学
人間科学部 社会福祉学科 准教授
小高 真美 先生

先生がめざすSDGs
メッセージ

 もし、友人から「死にたいほどつらい」と相談されたら、「打ち明けてくれてありがとう。私も力になりたいし、あなたが信頼できる大人にも力になってもらおう」と伝え、決して一人で抱え込まないでください。こうした状態は、複数の要因が複雑に絡まりあって起こるのであり、専門家でも一人で解決できるものではありません。
 あなたも自分だけでなんとかしようとせずに、できれば本人の了承を得て、周囲の大人に相談してください。家族や学校の先生でなくても構いません。打ち明けてくれた友人が信頼できると思える人に協力を求めましょう。

先生の学問へのきっかけ

 日本の高校を卒業後に、アメリカの大学に進みました。そこはリベラルアーツといってさまざまな領域の学問を学べる学校で、専門性に縛られない環境の中で幅広く勉強をしながら、自分の専門性を模索する日々を送りました。やがて人間のもつ不思議さに関心を抱き、社会心理学を学び始め、生身の人間と接する仕事をしたいという思いから、ソーシャルワークの分野に進みました。帰国後は大学での研究・教育活動や福祉現場での実践、研究所の研究員といったキャリアを通して、ソーシャルワーク研究の第一線で活動しています。

大学アイコン
小高 真美 先生がいらっしゃる
武蔵野大学に関心を持ったら

 武蔵野大学は、文・理・医療・情報系の総合大学です。2021年4月、「アントレプレナーシップ学部」を新設予定(構想中)。既存の枠にとらわれず、新たな価値を創造していく起業家精神(アントレプレナーシップ)を持った人材を育成します。2020年4月には、文系も理系も専門に活かせる学びができる新しい情報教育がスタート。12学部20学科になる武蔵野大学では、経済学、経営学、法学、文学、国際、語学、教育、薬学、看護、心理、福祉、工学、環境、建築などの学問分野が学べます。

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