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講義No.10376

精神に障がいのある患者さんとどうつきあうか

「統合失調症」とは、どんな病気?

 精神疾患に「統合失調症」という病気があります。妄想や幻覚という症状があり、例えば誰かに悪口を言われたり、監視されているのではないかといった強迫観念にかられます。通常の生活を送ることが難しくなり、引きこもるなどします。家族を含めて人とうまく関われなくなるので、周囲の人々は困惑してしまいます。原因についてはさまざまな説がありますが、はっきりとはわかっていません。また、個人差はありますが、常に症状が現れるわけではありません。

どんな看護を行えばいいのか

 統合失調症の患者さんに対しては、症状を抑えるために抗精神病薬が投与されますが、薬で病気が治るわけではありません。また、患者さんが自分の感情をコントロールする有効な方法も明確ではありません。では、どういう看護を行えばよいのでしょうか。まず、説得したりアドバイスしたりといった上から目線の対応では、拒否されてしまいます。重要なのは患者さんを知ることで、そのために友だちや家族と話すように、仕事や学校の話、恋愛の話、趣味の話を対等な立場で行います。妄想や幻覚がない時間帯はそのような話をするチャンスです。しかし、妄想や幻覚にも患者さんが抱えている物語を知るためのヒントがあります。何を恐れているのか、何を嫌がっているのかを知ることは、患者さんの精神の本質に近づくことになります。

話を聞いてくれる他人がいる

 統合失調症の患者さんは、他人との心地よい触れ合いに慣れていません。また、自分の中に起こるさまざまな問題を自分で解決しようとして、うまくいかないと精神が破綻してしまいます。ですから、まずは話を聞いてくれる他人がいるということを実感してもらいます。そうすることで患者さんの心が整い安心し、疾患のない人と同じような喜びや悩みを持つことができるようになります。この病気は、薬を使いながら長い時間をかけて、付き合っていくことになるものです。看護者は、それを手助けする精神面での伴走者となることが重要です。


この学問が向いているかも 精神看護学

久留米大学
医学部 看護学科 講師
福浦 善友 先生

先生がめざすSDGs
メッセージ

 人の心は常に揺れ動いています。あなたも経験があると思いますが、体調が悪かったり、学校や家族の中でうまくいかないことがあったりすると気持ちは沈んでしまいます。ただ、心は見えないので、このような心の動きを他人がつかむことは容易ではありません。外に表れる行動のような現象から類推するのも限界があります。
 精神疾患の患者さんの看護で重要なのは、寄り添いながら、患者さんが自ら体調を整え暮らしを楽しむことができる支援を行うことです。あなたがこのような看護に興味があれば、ぜひ一緒に勉強しましょう。

先生の学問へのきっかけ

 大学生のときの看護実習で目が見えない統合失調症の患者さんを担当しましたが、妄想発言やどなられるばかりで何もできませんでした。この経験から、どうすれば精神疾患の患者さんの看護ができるのだろうと考えるようになりました。相手を説得したり、アドバイスしたりという姿勢では、反発されてしまいます。患者さんと対等な立場で、悩みや喜びを共有し、寄り添うように心がけました。妄想や幻覚といった統合失調症の症状をコントロールすることは困難です。疾患のない人と同じように接することが大事なのです。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

病院看護師/市役所保健師/学校養護教諭/大学教員/訪問看護ステーション看護師

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福浦 善友 先生がいらっしゃる
久留米大学に関心を持ったら

 92年の歴史と伝統を積み重ねた久留米大学には、文学部・人間健康学部・法学部・経済学部・商学部・医学部の6学部13学科、大学院4研究科そして20の研究所・センターなどがあります。「個性尊重、資格取得、地域貢献、国際感覚の育成、高度情報化への対応」を重視し、多くの優秀な教授陣が学生一人ひとりの能力を伸ばしながら、社会への適応力を育み、ゼミナールを中心とした授業で、教員と学生の触れ合いを大切にしています。文系・医系の両キャンパスに新たに教育・研究棟が完成し教育環境もさらに充実しました。

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