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講義No.10353

多様な考えや価値観を持った人が共に生きるために

多様化した社会に生きる

 人はそれぞれ異なる考えや価値観を持っています。同じ地域に住む同い年の同級生でさえ考え方は違うのですから、より大きな社会、さらに世界に視野を広げれば、人種、宗教、国籍などの違いによって考え方の差は広がるばかりです。では、これらの人々が協働して社会を営むためには、どのような原理やルールが必要なのでしょうか?

共通する価値、異なる解釈

 人にはそれぞれどうしても譲れない価値があります。一番重要な価値は「生命」、また、自らの意思に従って行動できる「自由」もきわめて大切な価値です。人間には等しい価値があるという「平等」、良い生き方の規範となる「美徳」、最低限の暮らしを保障する「福祉」も必要な価値でしょう。忘れてはならないのが「平和」の価値です。これらの価値は誰もが大切だと思えるものですが、それぞれの価値をどう解釈するかは人によって違います。また、優先順位も違うでしょう。
 たとえば、生命を尊重することに異論のある人はいないでしょう。しかし、生命の尊重が何を意味するかについては解釈が分かれます。すべての生命は平等に扱い、それぞれの重みを「1」と数えるのが尊重なのか。それとも、生命はかけがえのないものであるから、「モノ」のように数えないことが尊重なのか。それによって、5人を救うために1人を犠牲にすることは正しいか、といった問題に対する答えが変わります。

多様化そのものに価値がある

 自分とは違う他者を「面倒くさい奴」と思いがちです。しかし、自分とは違う他者は、自分が見逃していたものや、自分が感じてこなかった痛みに気づかせてくれます。私たちの認識や感性を広げてくれます。その意味で多様性にはそれ自体価値があります。
 多様な考えや価値観を持った人々と協働して生きるための原理やルール、それが正義です。正義の根底には、異質な他者を「話のわからない奴」として排除しない、他者に理解できない自分だけの「神様」に祈らない、自分の意見を変えることを恐れない、という民主主義の精神があります。


この学問が向いているかも 憲法学

北星学園大学
経済学部 経済法学科 教授
岩本 一郎 先生

先生がめざすSDGs
メッセージ

 あなたに、「仕方がない」という言葉を使ってほしくありません。法律があるから、社会のみんなが従っているから仕方がないと諦めてしまうことは、考えることを止めることです。法律も社会の慣習も人間が作ったものです。だから人間が変えることができるはずです。憲法という「眼鏡」を通して、いま「当たり前」だと思っている現実を絶えず点検し、問題があれば正していく姿勢と勇気が大切です。
 手強い現実に一人で立ち向かうのは大変ですが、大学には一緒に考え議論するたくさんの仲間がいます。あなたの未来はあなたが作るものです。

先生の学問へのきっかけ

 高校時代、勉強の妨げになるからと、男女交際を快く思わない教師がおり、クラスの女子と付き合っていた友達を別れさせようとしました。私は、高校生であっても人を好きになるのは自由であると考え、抗議しました。時間が経つうちに、理屈を通そうとする側が悪者のようになり、結局は駆け付けた怖い教師に怒られて終わりました。話し合いで解決できずに権力に負けたことが悔しさとして残り、この苦い経験から、自由が尊重される社会にできないだろうかと考え、憲法と人権を勉強し、さらに正義論と憲法を結びつけながら研究を続けています。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

裁判所事務官/検察事務官/国税専門官/行政管理局職員/警察官/消防士

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岩本 一郎 先生がいらっしゃる
北星学園大学に関心を持ったら

 本学は、文学部、経済学部、社会福祉学部、短期大学部の4学部10学科を擁する札幌市内の文系総合大学です。キリスト教精神に基づく人格教育により「人間性・社会性・国際性」を身につけ、社会に貢献できる人材をめざします。北星の強みは、英語教育の質の高さ、社会福祉士の合格実績、施設の充実。特に、交換留学などの国際交流、高い就職実績や自分らしい生き方をサポートする本学独自のキャリア支援が挙げられます。

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