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講義No.10251

空気圧を使って制御する人工筋肉によるロボットの開発

人間のような動きを実現するには?

 私たちが行うあらゆる動作は、骨に支えられた筋肉が収縮することで実現しています。機械の場合、筋肉に相当する駆動源を「アクチュエータ」と呼びます。電力で物を動かすには、電気エネルギーと実際に実現したい動きを仲介する装置が必要です。この装置がアクチュエータです。軸を中心にした回転運動で力を出す「モータ」も、アクチュエータのひとつです。
 では人間の動きに準じたロボットを作ろうというとき、どんなアクチュエータがいいのでしょうか。モータは、ロボットのアクチュエータとしてよく使われますが、回転運動を人間の筋肉のような収縮運動に変換する機構が必要となるため、別のアクチュエータがよい場合もあります。考えられるのは、空気圧で動く人工筋肉です。

空気で動く人工筋肉

 現在の人工筋肉は、細いもので外径2ミリくらいのサイズで実現されています。空気圧で動く人工筋肉は軽く、反応速度が速いことから応答性がよく、それでいて故障しにくく、力も出せるという特長があります。
 空気圧による人工筋肉は、柔らかい素材で作られ、曲げたりひねったりという動きができるのも大きなメリットです。空気圧によるアクチュエータなら、手や足を自動的に動作させるリハビリ装置にも応用できます。空気を送り込んだり、あるいは抜いたりできるエアバッグを使って患者さんの体をソフトに動かすのにちょうどいいのです。

義手にも利用可能

 ほかにも空気圧の人工筋肉は、小児用義手のように、小型で軽量であることが必須で、それでいて力加減の制御も必要なものに向いています。これに、脳から筋肉に伝わる「表面筋電位」と呼ばれる生体信号を感知して義手を動かす技術を併用すれば、健常者の腕と同じように動かせる義手を開発できると考えられます。
 ただ、空気を出し入れするためのコンプレッサーやボンベが必要です。現在、実用可能なところまで小型化できてきていますが、普及のためにはさらなる改善が求められます。


この学問が向いているかも ロボット工学

大阪工業大学
ロボティクス&デザイン工学部 ロボット工学科 准教授
谷口 浩成 先生

先生がめざすSDGs
メッセージ

 私自身を振り返ると、一貫してひとつの研究をしてきたわけではありません。電気、情報、そして今は機械とさまざまな分野を渡り歩いてきました。でも、ロボットを研究している今になってみると、そのことがとても役立っています。すべてが本当にやりたかったことに結び付いた気がしますが、当時はやっていることがすべて将来につながるなんて思いもしませんでした。
 あなたも、まだ明確な目標がないとしても、その時々を全力で取り組むことで未来への道が開けてくるかもしれません。今できることに、チャレンジしてください。

先生の学問へのきっかけ

 町工場を経営する父のもとで育ち、小さい頃から工作が好きでした。機械や装置を見たり触ったりできるチャンスが多く、材料を加工し、組み合わせることで何かができあがることに面白さを感じていました。
 ものづくりへの憧れと、自分でも何かを作りたいという思いを持ちつつも、高専では電子制御工学を学び、編入した大学では太陽光発電の研究をしました。その後、研究員として参加したプロジェクトからの縁で、形状記憶合金や空気圧を利用したソフトアクチュエータに興味を持ち、未来のロボティクスに役立つ技術を研究しています。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

電機家電メーカー開発/医療福祉メーカー開発/電子機器メーカー設計

大学アイコン
谷口 浩成 先生がいらっしゃる
大阪工業大学に関心を持ったら

 大阪工業大学は、工学部・ロボティクス&デザイン工学部・情報科学部・知的財産学部の4学部16学科構成で、「人のために役立つものづくり」を追究しています。本学学生たちの学びの原動力は「社会を思う優しい気持ち」や「積極的に学問・技術を探究する情熱」。そのため、特色ある実験・演習やグローバル人材育成をめざした語学教育など、多彩な教育プログラムを展開しています。そんな「質を保証する教育」が高い就職実績につながっています。

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