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講義No.10237

本人の希望をかなえることが、ケアマネジメントの目標

介護制度の根幹、ケアマネジメント

 介護保険制度では、加齢や病気のために生活が難しくなった高齢者を支援しています。受給できるサービス量は要介護度に応じて異なり、要支援状態以上で受給できます。被介護者やその家族と相談して、ケアプランを立てるのがケアマネジャーです。介護サービスを提供する事業所などに属していて、被介護者の要望を聞き、与えられた条件の中で、最大限に実現できる支援・介護の計画を立てます。介護保険制度の根幹をなす重要な仕事です。

被介護者の要望を聞き出す

 ケアマネジャーに求められるのは、被介護者の要望を聞き出すことです。生活する上で以前に比べて何が難しいのか、どういう生活をしたいのかを聞き取り、その実現に向け問題点を洗い出し、解決方法を考えます。例えば、歩行が困難だけど外出をしたい、それが自分の楽しみだという人の場合、車椅子をどうやって調達するのか、費用はどれだけかかるのか、外出時に誰が車椅子を押すのかという問題が生じます。それらを、利用できる公的サービスを含めて、本人や家族と一緒に考えます。しかし、家族に遠慮して自分の希望を言わない場合や、家族内不和などの問題がある場合もあります。その際有用な方法がソーシャルワークです。そうした場合でも、本人の希望を聞き出すことで、今実現できる短期の目標と同時に長期の目標も立て、段階的に目標を達成するようにします。

医療の限界の先を補うケアマネジメント

 本人の希望を第一に考えるのは、それこそがその人が生きている証しだからです。その実現は生きる意欲につながります。このような方法は「ストレングスモデル」と呼ばれています。また、障がいなどがある場合、病気を治すという点でもよい結果をもたらします。医学では科学的に病気を診断して治療しますが、そもそも、治りたいという意志がなければ快方に向かいません。そして意志を顕在化するためには、本人の希望をかなえることが有効なのです。その意味で、ケアマネジメントは医療の限界の先を補っていると言うことができます。

参考資料
1:「障害者福祉論」
2:「ケアマネジメント」

この学問が向いているかも 社会福祉学、人間福祉学

県立広島大学
保健福祉学部 人間福祉学科 教授
金子 努 先生

先生の著書
先生がめざすSDGs
メッセージ

 高校までの勉強と大学の勉強には違いがあります。大学に入ると、ひとつのことをいろいろな視点からとらえることを経験します。私の専門の社会福祉学では、社会をさまざまな角度からとらえることで、人間が暮らしている場をいかによりよくしていけるのかを考えていきます。
 私たちが当たり前と思っていることでも、他国では当たり前でないことがあります。高校生のうちからさまざまな視点で物事を考えることができれば、これから進む道が大きく広がると思います。ぜひそういう取り組みをしてみてください。

先生の学問へのきっかけ

 大学で、社会福祉とは、人間の可能性を引き出し、それを実現することだということを知りました。人間は環境で変化します。与えられた環境をその人に適したものに変えていくことで自分らしい生き方を実現することになります。この考え方に共感して、多くの人がそれを実践できるようにしたいと思うようになりました。このように人と社会とのつながりや変化をうみだす社会福祉の方法のことをソーシャルワークと呼んでいます。介護保険制度もその中のひとつです。少子高齢化が進む中で、社会保障制度の重要性は今後ますます増していきます。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

地域包括支援センターのケアマネジャー/官公庁のソーシャルワーカー/児童相談所の児童福祉司/病院の医療ソーシャルワーカー/障がい者施設のソーシャルワーカー

大学アイコン
金子 努 先生がいらっしゃる
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 県立広島大学は、教育、研究、地域貢献、国際交流のいずれにおいても公立大学として一級の大学になっています。「主体的に考え、行動し、地域社会で活躍できる実践力のある人材の育成」を目標に、教養教育では、大学4年間の学士課程教育を通じて実施する「全学共通教育科目」を設定するとともに、専門教育においては、教養教育との連携を図りながら、「専門科目」を系統的に設定することにより、バランスのとれた教育内容を提供していきます。

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