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講義No.10125

健康や病気を理解するには細胞同士のコミュニケーションがカギ!

体の機能が一定に保たれているのはなぜ?

 生物には単細胞生物と多細胞生物がいます。人間は多細胞生物で、種類も働きも違う約37兆個の細胞から成り立っています。しかし、この37兆個の細胞が好き勝手に動いてしまうと、生物としてうまく機能しなくなります。実は、細胞と細胞は互いに「会話」をし、それぞれの動き方を相談しているのです。その際、細胞から放出される「細胞外分泌因子」が言葉の役割を果たしています。細胞間のコミュニケーションのツールとして、体の機能を一定に保つ重要な役割を担う細胞間分泌因子の研究は注目を集めています。

細胞外分泌因子の役割

 細胞外分泌因子の研究方法はいろいろありますが、その一つとして、ある細胞外分泌因子が欠損したマウスを作製して、普通のマウスとどのような変化が生じるのかを観察する方法があります。例えば、ある細胞外分泌因子を欠損させると、体の特定の部位が形成されないマウスができました。この研究により、細胞間の会話のもとに体が作られるメカニズムについて、一つ理解が進みました。このような研究は現在も進められ、コミュニケーションをとっていないと思われていた細胞同士が細胞外分泌因子を通じて会話していることが続々と明らかになりつつあります。

様々な病気に関係する細胞間の会話

 さらに、細胞外分泌因子が病気の発症に重要であることも明らかになってきました。その中には、がんや肥満症、メタボリックシンドロームなども含まれています。細胞外分泌因子をどんな細胞がどのような時に作るのか、細胞外分泌因子を受け取る細胞はどんな細胞か、また受け取った細胞はどのように変化するのか、このような疑問を一つずつ解明していくことで、がんや肥満症などの治療のヒントが得られる可能性が期待されます。
 このように、細胞外分泌因子による細胞間のコミュニケーションを明らかにしていくことは、生物学として興味深い取り組みであるというだけではなく、これからの薬学や医学にとって重要な研究課題といえるのです。


この学問が向いているかも 生物学

神戸薬科大学
微生物化学研究室  教授
小西 守周 先生

先生がめざすSDGs
メッセージ

 高校生の間は、将来やりたいことを考え始めるにはとても良い期間です。そのためには、書物やネットでの検索も役立ちますが、色々な人に出会い、話を聞き、また自分の思いを言葉にして発信することがとても大事です。
 やりたいことが見つからないのも辛いですが、やりたいことと自分の適性がうまく合わないのはもっと辛いかもしれません。どこかで折り合いをつける必要はありますが、それはもう少し先で良いと思います。今はまずやりたいことを見つけることから始めてみましょう。

先生の学問へのきっかけ

 細胞外分泌因子の研究をしています。細胞外分泌因子というのは、細胞から放出される物質のことで、細胞同士のコミュニケーションにおける言葉にあたります。この言葉を理解できれば、生命の仕組みの解明や、病気の治療薬につながる可能性があると、近年注目を集めています。細胞外分泌因子の種類は膨大で、わかっていないことが多くあります。なんとなく進学した薬学部ですが、大学時代に、面白い分泌因子を発見した研究室の友人の姿を見て、それなら私もと思ってしまいました。それからずっと細胞外分泌因子の研究を続けています。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

製薬会社研究員/製薬会社MR/病院薬剤師/大学教員/

大学アイコン
小西 守周 先生がいらっしゃる
神戸薬科大学に関心を持ったら

 社会は今、自分で考え、自分で答えを出せる思考力を持ち、何事にも臆することなくチャレンジできる人を求めています。本学は、単に薬剤師を育成するだけではなく、薬学分野の学びや薬学研究を通じて、自分で考え、チャレンジし、社会に貢献できる医療人を育てることをめざしています。薬学に興味を持つ皆さん、あなたはどんな医療人になり、どのように医療に関わりたいですか? 本学は、あなたの未来への道のりを全力でサポートします。

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