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講義No.10108

「正解」のない問いへのチャレンジとしての政治哲学

政治哲学という学問

 SDGsの目標に見られるように、少子化や貧困、多様性や自由、また戦争や紛争などさまざまな課題を抱えています。政治では、単に明確な目標追求のための合理的手段を決めればいい、というわけにいきません。限られたお金や人など希少資源を配分するためには、複数の価値ある目標間の優先順位を決めなければなりません。また、よい目標を実現するため悪しき手段を使っていいでしょうか。
 政治哲学を学ぶ場では、「人間は本来自由で平等か」「正義とは何か」「正義の戦争はあるか」「あなたはナショナリストか」「政治のない社会はあるか」などを問いかけます。誠実に答えようとすると、普段曖昧にしている問題が見えてきます。私たちは、意識せずともそれぞれの場で決定し自分や自分たちの生き方を表現しているのです。時には、何かに操作されているのかもしれませんが。

思想史の巨人たちとの対話

 政治哲学には、多くの天才的な対話相手がいます。西洋だけでも、ソクラテス、プラトン、アリストテレスや、ホッブス、ロック、ルソーなどの名前は、聞いたことがあるでしょう。彼らは、「正義とは何か」「国家とは何か」「愛とは何か」といった普遍的で本質的な問いを立て、それぞれ美しくかつ刺激的な答えを描きます。現実社会と関係ないと思うかもしれませんが、時空を超えて現代の悩みや問題を解決する糸口をもたらしています。ちなみに、「デモクラシー」はもちろん、「シアター」「コーラス」「シンボル」「リズム」「プラトニックラブ」や「コスモポリタン」という言葉も、古代ギリシャ語に由来し、私たちの人生を豊かにしていますよね。

「正解」

 「正解」というRADWIMPSの曲にあるように、答えのない問いに人生を賭けて、私たちは生きていかなければなりません。政治に簡単に「正解」を求める人々に対して政治哲学はしばしば無力です。しかし、問い続け選択しなければならない私たちにとって、多くの手がかりを与えてくれるのです。


この学問が向いているかも 政治学、政治哲学、思想史学

関西学院大学
法学部 政治学科 教授
岡本 仁宏 先生

先生がめざすSDGs
メッセージ

 政治学を学ぶことは、自由に生きるアートを学ぶことです。戦争は、大多数の人々の自由な生を破壊します。無意味な校則やネットの圧力も、自由を破壊します。誰かの命令やルール、人の視線や空気によって行動が制約されます。息苦しさや理不尽に「なぜ!」と問いかければ、あなたは政治学の入り口に立っています。今ある社会の仕組みは、唯一の正解ではありません。自由に生きたいという人類の戦いは、時空を超えて知を継承させています。だからこそ、政治哲学や政治思想史は、面白く刺激的なのです。

先生の学問へのきっかけ

 子供時代から生物が好きで、高校時代は理系クラスにいました。でも、3年生の時に、科学技術を使うのは結局「政治」の力だし、その力が多くの人々の運命を変えてしまうと考え、法学部に進み、西洋政治思想史を専攻しました。2400年以上前から現代まで、色々な思想家がより良き政治を求めて悩み苦しんできました。現代の政治哲学の研究者たちは、これらの思想家たちとも対話しつつ、私たちの直面する課題に取り組んでいます。私はまた、阪神淡路大震災以来、NPOの研究にも取り組んでおり、現在は日本NPO学会の会長でもあります。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

国家公務員/地方公務員/地方公務員警察官/学校教員/地方議会議員/弁護士/NPO職員/研究者/銀行業/証券/新聞社記者/福祉/化学/サービス業/情報通信/小売業/空運業操縦士

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岡本 仁宏 先生がいらっしゃる
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 スクールモットーである"Mastery for Service"は、「奉仕のための練達」と訳され、関西学院の人間として目指すべき姿を示しています。1889年にアメリカ人宣教師W.R.ランバスによって創立された関西学院は、このスクールモットーを体現する、世界市民を育むことを使命とし、現在、関西学院の3つのキャンパスでは、約2万人の学生が個性あふれる11学部で学んでいます。さらに2021年度4月には理学部、工学部、生命環境学部、建築学部の新4学部が設置されることとなります。

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