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講義No.10081

身近な食品に含まれる成分で、生活習慣病や老化を予防する「食品科学」

健康づくりに役立つ「機能性表示食品」

 健康に生きていくためには、食事からさまざまな栄養素を、バランス良く摂取するのが理想です。ただ、その時々の体調に合わせて、必要な栄養素を選択・補給するのはなかなか困難です。そこで役に立つのが「機能性表示食品」です。これは、事業者の責任において科学的根拠に基づいて開発され、健康の維持や増進に役立つことを表示するものとして届け出られた食品です。
 機能性表示食品の開発にも関わり、食材に含まれる機能性を科学的に評価したり、成分を効果的に引き出す加工方法を研究したりするのが「食品科学」という学問領域です。

未利用の農作物で新たな付加価値

 熊本県の天草には、インド原産の「モリンガ」という樹木を栽培している地域があります。この葉には「GABA(ギャバ)」というアミノ酸の一種が豊富に含まれています。そこで、大学と地元企業が共同で、ストレスを緩和したり、血圧を下げたりする機能性を表示した「モリンガ茶」を開発しました。また、長崎県内の企業と共同して、通常は利用されていないビワの葉と、緑茶としては商品価値が低い三番茶を原料に、カテキン重合ポリフェノールが内臓脂肪を減らす発酵茶を開発しました。いずれも地場産品を原料にした機能性表示食品で、地域産業にも貢献する商品です。

加工品にすることで遠方にも販売可能に

 宮崎県の特産品に「日向夏(ひゅうがなつ)」というミカン科の果物があります。この日向夏に含まれる「アラビノガラクタン」という多糖類には、カルシウムの吸収を促進し、骨代謝を改善する働きがあることを人試験等で発見しました。日向夏などの果物は、鮮度が重要で、遠方への輸送にコストがかかります。そこで、日向夏の成分を効率的に抽出してジュースに加工した「毎日おいしく日向夏」を商品化して、日常的に摂取しやすく、機能性が期待できる商品を遠方にも販売できるようにしました。
 このように食品科学の研究には、人々の健康に役立つ商品を開発するだけでなく、地域の産業を後押しする力もあります。


この学問が向いているかも 食品科学、栄養化学

崇城大学
生物生命学部 応用微生物工学科 准教授
西園 祥子 先生

先生の著書
メッセージ

 「この食べ物には、どんな成分が含まれて健康にいいんだろう、どんな効果があるんだろう」などと考えたことはありますか。食品科学の研究では、食品に含まれる成分や食べた後、どのように代謝されるかについて探究しますので、化学と生物の両方の基礎知識が非常に重要です。
 市販の食品開発では、「どんな食べ物がはやっているのか」「どんな味付けが好まれているのか」など、化学・生物以外の事柄についてもリサーチが必要です。大学で食品科学分野の研究をしてみたいなら、いろいろな事柄に幅広く関心を持つようにしましょう。

先生の学問へのきっかけ

 子ども時代、嫌いな野菜を食べたくないと思っていると、いつも母から、「この野菜は体にいいから」と言われ、なんで体にいいのか、体にいいってどういうことなのかと、疑問に感じていました。食品と健康との関連を学べる農学部で、栄養素の役割や食品の機能性を詳しく知るうちに、「病気になってから食生活を改善したり、薬に頼るより、病気を予防する食生活を提案する方が大切」と考えるようになり、食品科学の研究を自身の専門に選びました。企業と協力して、機能性をうたった商品が発売されることもあり、やりがいを感じています。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

大学院進学/製薬会社/食品会社品質管理・製造/官公庁/中学理科教員

大学アイコン
西園 祥子 先生がいらっしゃる
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 崇城(そうじょう)大学は薬学、生物生命、工学、情報、芸術の5学部からなる総合大学です。“世界で活躍できるプロフェッショナルの育成”を目指し、最先端の施設・設備・研究を備え、学生一人ひとりを厳しく育てる実践的な教育プログラムにより、高い就職率や国家資格合格率を維持しています。理系私立大学では全国初の英語を公用語とする学習施設「SILC(シルク)」があり、英語ネイティブ講師による英語教育が成果を上げています。本学の地である熊本から産業界の未来を切り拓く若者を輩出する学舎でありたいと決意しています。

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