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講義No.10068

「イノベーション」は、芸術と科学の融合から生まれる

絵画に先端科学技術を用いたダ・ヴィンチ

 有名なモナ・リザを描いたレオナルド・ダ・ヴィンチは、偉大な芸術家である一方で科学者としての一面も持っていたため、絵画にも当時の先端科学技術を取り入れた創造的な表現を試みていました。
 ダ・ヴィンチの時代から500年がたち、科学が進歩した現在も、常に芸術と科学の融合により、新しい表現が作り出されています。現代ではコンピュータなどのデジタル技術を応用したメディアアートという表現方法が多く使われるようになってきました。さらに、鑑賞者の介入に対応して作品が変化するインタラクティブアートという表現も、芸術のみならず舞台演出や広告に用いられるようになっています。

芸術から問題解決のツールへ

 インタラクティブアートは問題解決の方法としても用いることができます。例えば、視覚障がいのある人は点字に触れて文字を理解しています。一方、近年教育現場でも普及の進むタブレット型情報機器は、触覚のみで操作や判断をするのが難しい道具です。そこで、タッチ情報を感知できるシートに点字を印刷し、タブレットにのせて使用する教育機器が研究されています。正確にタッチした時に情報を音声でフィードバックさせることにより、触覚と聴覚を活用した学習につながります。こうした研究の実用化にはタイムラグがあるものですが、数年後の商品化が期待されています。

「イノベーション」を創造するには

 イノベーション(技術革新)は、一つの要素技術だけでなく、工学的な技術や意匠的なデザイン、感性工学など他分野の技術を結集して生み出されるものです。新しい価値観を創造し、人の心を揺さぶるアートを生み出すには、分野をまたいだ知識が必要になります。さらに、イノベーションを世の中に送り出すこれからのクリエーターには、リサーチ・企画・プロデュース・編集の能力も必須です。未来のクリエーターはダ・ヴィンチを越えるほどの多彩な能力を兼ね備えなければならないかもしれません。


この学問が向いているかも 芸術工学・デザイン情報学

東京都立大学(現・首都大学東京)※2020年4月校名変更
システムデザイン学部 インダストリアルアート学科 教授
串山 久美子 先生

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メッセージ

 大学は自分の興味があることを自分で選んで学び、自ら実践する場所です。それに対して高校では、受験のための勉強で受け身になっているかもしれません。でも、自分が興味をもったことを掘り下げたり広げたりしてみてください。
 理系でも文系でも、美術や音楽を専攻したい人も、興味がある分野だけではなく、別の分野も学ぶことで、四方に広がった根を張ることができます。それが支えとなって成長し、いつか大きな花を咲かせることができるのです。どうか、あなた自身の感性を大事に育ててください。

先生の学問へのきっかけ

 高校生の頃から、理系でありながら美術に興味があったため、大学ではそれらが融合する建築を専攻しました。学ぶ中で、実際には存在しない空間に興味を持ち、バーチャルリアリティやインタラクティブアートの研究に進みました。最初に学んだ建築と、デザインやアート、機械や情報の工学的な手法をミックスして、研究は果てしなく広がっています。インタラクティブアートを扱うメディア情報学は、人に訴えかけるアートやデザインにインタラクティブな情報工学技術と認知工学や感性工学を加えたユニークな学問です。

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串山 久美子 先生がいらっしゃる
東京都立大学(現・首都大学東京)※2020年4月校名変更に関心を持ったら

 東京都立大学(現首都大学東京)は「大都市における人間社会の理想像の追求」を使命とし、東京都が設置している公立の総合大学です。人文社会学部、法学部、経済経営学部、理学部、都市環境学部、システムデザイン学部、健康福祉学部の7学部23学科で広範な学問領域を網羅。学部、領域を越え自由に学ぶカリキュラムやインターンシップなどの特色あるプログラムや、各分野の高度な専門教育が、充実した環境の中で受けられます。

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