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講義No.09566

町の公共サービスがなくなる? 企業とコラボした公共政策に注目!

町から図書館がなくなるかも!

 あなたの町の図書館が老朽化しています。もし、あなたが町の責任者だったらどうしますか? 新しく建て直すには費用がかかります。しかし町の経済は疲弊しており、その財源がない……それなら、なくしてしまいますか? 地域の財政が悪化していくと、これまで提供されていた公共サービスがカットされてしまう可能性があるのです。こうした住民生活に影響を及ぼす公共的な課題を解決し、住民生活を豊かにしていくために国や地方自治体が講じる政策を「公共政策」といいます。

もうその地域だけの問題ではない

 日本ではグローバル化、少子高齢化、東京一極集中により、地方の人口減少が急激に進んでいます。それにより地域経済が落ち込み、地方財政は悪化し、さらに人口が流出するという負のスパイラルが生じています。すでに地域によってはバスの路線が廃止され、公共施設が老朽化しても建て直す資金がなく、中には存続自体が危ぶまれている地域も存在するのです。地域の衰退は日本全体の衰退につながることから、これらの問題はその地域に住む人々だけのものではないのです。地域を立て直すには、公共政策に民間企業のノウハウを取り入れながら、その地域ならではの魅力をつくりあげることの重要性が認識されています。

民間企業が町の図書館を運営して、観光名所に!

 欧米では、科学的根拠に基づいて戦略を立てる「EBPM」といった考え方や、国や地方自治体が民間企業と一緒になって公共的な課題を解決する「PPP」といった手法など、公共政策に民間企業のノウハウを積極的に採用する傾向にあります。
 日本でも、民間企業と一緒に地域をつくりあげる事例が増えています。例えば、佐賀県武雄(たけお)市は図書館の運営を民間企業に委ねており、図書館自体が観光名所となってたくさんの観光客が地域に訪れるようになるなど、地域経済への良い影響も出ています。地域の限りある資源を効率的に活用し地域を立て直すには、今後、公共政策に民間企業のノウハウを取り入れることが重要な鍵になるでしょう。


公共施設を救え! 地域の再生と公民連携

この学問が向いているかも 公共政策学、公共経済学、財政学

甲南大学
経済学部 経済学科 准教授
林 亮輔 先生

先生の著書
先生がめざすSDGs
メッセージ

 10年後、20年後の社会を想像してみてください。まだ実感できないかもしれませんが、地域経済が衰退し地方財政がさらに悪化していくと、日々の暮らしの中に当たり前のように存在していた図書館や体育館などは統廃合され、水道や道路もいま現在の状態を維持していくことが不可能になるかもしれません。
 自分たちの未来を自ら考え、社会を設計していく力がいま求められています。公共政策は私たち一人ひとりの生活にとても身近なものです。地域が抱えている課題を研究して、あなたの暮らしを豊かにするヒントを見出してください。

先生の学問へのきっかけ

 私が公共政策に関心を持ったのは高校生の時でした。毎日の生活が道路、水道、公園などの公共サービスを利用しなくては成り立たないことに気づき、公共政策を学ぶことをとても身近に感じました。大学では地域経済や地方財政を学ぶゼミに所属し、市町村合併や道州制など地域のあるべき姿について議論を繰り返しました。どうすれば地域が元気になり、地域住民の生活を豊かにできるのかを深く考えたことが、現在の研究テーマにつながっています。欧米の事例も幅広く研究し、日本各地でさまざまな現地調査をしています。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

地方公務員/地方銀行員

大学アイコン
林 亮輔 先生がいらっしゃる
甲南大学に関心を持ったら

 国際都市・神戸に位置する本学では、建学の理念「人物教育の率先」を教育の原点とし、ミディアムサイズの総合大学だから実現できる、学部を越えた融合型教育で優れた人材育成を実践しています。現在、岡本(神戸市東灘区)・西宮(西宮市)・ポートアイランド(神戸市中央区)に3つのキャンパスがあり、8学部14学科の多彩な学びを展開。また、全学部の学生がグローバル教育を受けられる融合型グローバル教育や共通教育科目の充実により、異なる学部の学生同士が自然につどい、刺激し合い、融合する学びのフィールドが実感できます。

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