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講義No.09513

「できない」ことが「できる」ようになると、世界が変わる!

「できない」を助けるアシスティブテクノロジー

 社会において多くの人が当たり前にできることでも、高齢者、障がいのある人にはできないことがあります。それをできるようにするためには、テクノロジーを使うことが有効です。そうした技術を「アシスティブテクノロジー」と言いますが、中でも特に注目されているのはIT(インフォメーションテクノロジー)の領域です。例えば、タブレット端末が普及したことで、アシストのためのさまざまなアプリが作られるようになりました。耳の不自由な子どもが言葉を勉強するときに、写真と音声と文字情報が同時に出るアプリを使うことで言葉の学習ができるなどの例があります。

インターネットが世界を広げる

 コンピュータが使えるようになることで世界も広がります。施設で生活している障がいのある人がコンピュータを使えるようになると、SNSやWebなどのインターネットで情報を得ることが可能になりますが、それだけではありません。昔は買い物も、施設に許可を取り、付き添いを頼み、車椅子の専用リフト車に乗って、やっと外出できていたのが、インターネットが使えれば、欲しいものを、いつでも自由に買えるようになります。コンピュータを通じて仕事をすることも可能です。いろいろなことができるようになることで、世界は劇的に広がるのです。

「できる」を広げる社会環境づくりを

 「できない」というのは単に身体的な事情だけが理由ではありません。誰でも複雑な操作が必要な機械を前にしたら「できない」でしょうが、タッチパネルの操作が簡単な機械なら「できる」に変わります。「できない」のは、実はその人の置かれている社会環境によって決まってくるのです。「できる」ようにする社会環境づくりをしていけば、これまでは社会に参加できなかった障がいのある人も、障がいのない人と同じように社会で過ごせるようになるでしょう。ITの発展は、障がいのある人が社会に参加する機会を切り開いています。「できない」人が「できるようになる」ことで、社会も変わるのです。

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この学問が向いているかも 社会学、特別支援教育学

津田塾大学
学芸学部 国際関係学科 准教授
柴田 邦臣 先生

メッセージ

 私は社会学の中でもソーシャルインクルージョンという、障がいのある人を同じ一員として包み、支え合う社会を作ることを研究テーマにしています。それは、よく聞く福祉などのように、障がいのある人を「一方的に助ける」ことではありません。問われているのは、「どう一緒に生きるか」を学ぶ姿勢です。そして、障がいのある子どもたちが一生懸命勉強しようとする姿に、私たちが「なぜ学ぶのか」の意味が隠されています。そもそも、あなたは、なぜ勉強しているのですか? なぜ、勉強したいのですか? その答えを一緒に考えていきましょう。

先生の学問へのきっかけ

 私は大学院生のときに、ある福祉施設にボランティアでパソコンを教えに行ったことがあります。大きなホールでは、机に置かれた1台の小さなノートパソコンを6人もの車椅子の方が取り囲んでいました。その小さなパソコンは彼らの世界を大きく広げるのです。現代は車椅子では不便な社会ですが、インターネットが使えるようになるだけで、買い物ができるようになるなど、予想外の社会参加ができたのです。その体験に衝撃を受け、以来、障がいのある人や子どもたちができないことをできるようになるテクノロジーについて研究しています。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

福祉・教育業界会社員/NPO・NGO職員/福祉支援関係職員

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柴田 邦臣 先生がいらっしゃる
津田塾大学に関心を持ったら

 西暦1900年、津田梅子によりわが国初の女子高等教育機関の一つである「女子英学塾」として誕生。本学はall-round womenの養成(全人教育)という創立者の先覚的で熱烈な理想に基づき、学生の個性を重んじる少人数教育と高度な教育研究を積み重ねています。卒業生の多彩な活躍と社会的な貢献-男性と女性の真の共生の実現は創立者津田梅子の願いであり、本学が真摯に取り組んできた課題です。性別や世代や国境を越えた交流、大学と地域との交流や「学び合い」を通して、より豊かな人間性を育みます。

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