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講義No.09467

技術力よりも大切? 経営者に必要なダイナミック・ケイパビリティ

多国籍企業は従来のままというわけにはいかない

 従来の多国籍企業は、本社がトップにあり、その下に現地の企業が配置されていることが普通でした。しかし近年では、上下関係よりも、ヨコのつながりを重視するネットワーク型組織が増えています。市場の変化に応じ、現地の企業に素早く資源を供給することが本社の役割です。一方で、消費者に合わせた売り方を講じるためのマーケティングや販売のノウハウは、本社よりも現地の企業の方が優れています。

トップの指示を待つだけの企業は成長できない?

 中国に進出している複数の日本企業を継続的に調査したところ、安定した成長を成し遂げた企業と業績がふるわない企業の違いが見えてきました。成功している企業は、現地のリーダーを中心とした経営チームが本社から権限を委譲されており、現地の環境変化に合わせて瞬時に戦略を変更できるようになっていました。一方で、競争力を維持できなかった企業は、市場に変化が起こるたびに本社に報告し、指示を待っていました。その結果、市場が変動するスピードに間に合わず、対応が手遅れとなっていたのです。海外の企業は日本に比べると技術力などが十分ではない場合もありますが、とりあえずやってみるというスピード感に優れています。

未来を左右するダイナミック・ケイパビリティ

 経営学には、持続的な競争優位性に必要な能力として、「ダイナミック・ケイパビリティ」という考え方があります。急速に変化する環境に合わせ、手持ちの資産、資源と知識を再配置・再構築する能力のことです。例えばアップル社のような世界的な企業も、今後も創業者のスティーブ・ジョブズの残したものを引き継いで強い競争力を維持できるとは限りません。
 リーダーを中心として環境の変化を敏感に感知し、資源を再配置・再構築して企業を変革させることができるか、という点が重要視されています。経営陣にダイナミック・ケイパビリティが備わっているかどうかは、企業が成功し続けるための決め手のひとつなのです。

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この学問が向いているかも 経営学

帝京大学
経済学部 経営学科 准教授
楊 錦華 先生

先生の著書
メッセージ

 将来社会に出ると、広い視点でものごとを見つめることが大切になります。問題にぶつかったときは一段上の視点から見渡してみると、今ある能力や資源を使ってできる解決策が見えてきます。勉強においても、先生に言われたことをただうのみにするのではなく、その発言の意図を考えてみると成長につながります。
 「企業の経営」と聞くと難しそうだと思うかもしれませんが、本質は毎日の生活と同じです。限られた時間、労力とお金でより満足のできる生活をいかにしてマネージするかということは、今からでも磨くことができます。

先生の学問へのきっかけ

 高校時代にキャリアウーマンに憧れて、ビジネスに興味を持ちました。「将来は世界中を飛び回って商談を進める人になりたい」という思いから、大学で経営を学ぶ予定でした。しかし航空会社の採用試験に合格し、迷った末に、会社に数年務めて経験を積んでから大学に進学することに決めました。航空会社では「世界中を飛び回る」という目標は叶いましたが、商談に関わることはできませんでした。そこで会社を辞め、ビジネスについて知識を深めるために商学部に進学しました。そして、経営学の面白さにひかれ、そのまま研究の道に進みました。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

通信・OA機器や食品の専門商社のマーケティング/金融機関の営業/日本国内・海外の大学院への進学

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楊 錦華 先生がいらっしゃる
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 医療系・文系・理系と幅広い分野の10学部32学科を擁する総合大学です。文系学部を中心とした八王子キャンパスでは、約15,000人の学生が学んでいます。東京多摩丘陵の自然豊かな景観に位置し、キャンパスリニューアルにより新校舎棟「SORATIO SQUARE(ソラティオスクエア)」が2015年9月完成。
 2017年11月には2期エリアが完成し、「帝京大学総合博物館」をはじめとした、施設・設備が整備され、教育指針である「実学」「国際性」「開放性」を柱に、自ら未来を切り拓く人材を育成しています。

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