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講義No.09438

海から地球をのぞいてみよう! 地震波で地球内部の構造を探る

地震発生のメカニズムを明らかに

 日本周辺の海域では巨大な地震がたびたび発生し、深刻な被害を与えています。残念ながら地震は止められませんが、地震発生のメカニズムや揺れの特性などを明らかにできれば、被害の抑止につながるでしょう。そのためには、地球の内部構造がどうなっているかを知ることが重要です。地球の表面は約7割が海水に覆われているため、海底下での調査も欠かせません。しかし、海底を深く掘って内部構造を調べることは不可能です。そのため、地震波の伝わり方で内部構造を探る方法が採られています。

人工的に地震波を起こして調査する

 例えば、地下構造の固いところは地震波が速く伝わり、逆に軟らかいところはゆっくり伝わります。この伝わり方の違いを調べることで、地下構造を知る手掛かりが得られます。しかし、自然地震はいつ発生するかわからず、また、発生場所もわかりません。そのため自然地震だけではなく、人工的に地震波と同じ衝撃波を海中で起こし、その振動がどのように伝わっていくかを観測し、地下構造を調べることもあります。
 海底では電源・電波を使えず、海水の高い圧力に耐える必要もあるので、特別な観測機器が必要になります。このような観測機器の開発や改良も進められています。

海の水が将来なくなる?

 地球の内部構造については解明されていないことがたくさんあります。近年の研究では、地震の発生に水が関係しているのではないか、ということがわかってきました。これは、プレートが沈み込むときに海水も取り込んでしまうため、水の影響で地下の構造が変質した場所で地震が発生しやすくなっている、というものです。このような地球内部への海水の取り込みは、これまでの予想より速いペースで進んでいるという調査結果もあり、海の水は6億年後にはなくなってしまうかもしれない、という予測も出されています。
 地球の内部構造を知り、過去から現在まで地球がどのような変化を遂げてきたのかを明らかにすることは、地球の将来を考えるうえで重要なヒントになるのです。

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この学問が向いているかも 海域地震学

東京海洋大学
海洋資源環境学部 海洋資源エネルギー学科 准教授
中東 和夫 先生

メッセージ

 地球内部での諸現象は、日々変化しており、まだまだ未知のことも多く、これからもどんどん調べていかなければなりません。教科書や本で学ぶことも大切ですが、東京海洋大学では海に出て調査・研究を行う機会が多いので、肌で「地球を感じる」経験ができます。
 船の上ではほかの大学や関係機関との共同作業となりますので、協調性が必要です。また、急な天候変化で予定変更を余儀なくされることも多く、状況判断や臨機応変に対応する力も問われます。このような経験は社会に出た後に必ず生かされるはずです。

先生の学問へのきっかけ

 小学生の頃から、友だちと天体観測を楽しむなど、自然に人一倍興味を持っていました。進路を決定づけたのは、高校生のときに九州の雲仙普賢岳が噴火し、火砕流で多くの被害が出たことでした。自然災害で人々が苦しむ姿を見たくないという思いから、「地球科学」を志すことにしたのです。またセンター試験の2日後に阪神淡路大震災が起きたことで地震の防災にも興味を持ち、大学では地震学の研究室に入りました。このようなきっかけで、今では海域での地震学を専門とし、地球の内部構造について研究しています。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

官公庁職員/資源調査会社調査員/IT関連ソフトウェア開発

研究室
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中東 和夫 先生がいらっしゃる
東京海洋大学に関心を持ったら

 東京海洋大学は、全国で唯一の海洋にかかわる専門大学です。2大学の統合により新しい学問領域を広げ、海を中心とした最先端の研究を行っています。海洋の活用・保全に係る科学技術の向上に資するため、海洋を巡る理学的・工学的・農学的・社会科学的・人文科学的諸科学を教授するとともに、これらに係わる諸技術の開発に必要な基礎的・応用的教育研究を行うことを理念に掲げています。

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