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講義No.09418

病気をもつ子どもの「成長発達」を支援していく看護のあり方

考えるべき「移行期」の小児医療

 小児看護の世界で、現在研究が進みつつある分野として、「移行期支援」があります。移行期とは、子どもが成長し、その人らしく大人になる過程のことです。その過程の中で病気をもつ子どもは、病気の理解を深めたり、療養行動を獲得したりするなどさまざまな課題があり、それをどのような看護で支援すべきかが小児看護の課題となります。

移行期における3つの移行

 移行期には、大きく分けて3つの移行があります。ひとつは、「診療の場の移行」です。大人の診療科と違い、小児科における治療や看護においては、成長し発達していく子どもが対象であるということが、大きな意味を持ちます。特に、子どもの患者は、15歳くらいになると小児科から大人の診療科に「転科」することになり、担当医師も替わります。子どもや家族からすると、「パートナーが替わる」という重要な問題です。もう1つは、「意思決定をする人の移行」です。幼児期においては、治療方針などを本人ではなく家族に判断してもらうことがありますが、成長するにつれて、本人への説明と意思確認を行うようになっていきます。もう1つ、「療養行動の移行」もあります。子どもが自律・自立していくにつれて、自分でできることが増えていき、健康状態も自己管理ができるようになっていきます。

思春期の看護の多様さ

 「乳児期」「幼児期」「学童期」の看護のあり方についてはこれまでも研究されてきましたが、「思春期」については今まであまり研究対象とされませんでした。
 小児科の場合、医師や看護師は患者だけでなくその家族とも向き合っていくことになりますが、思春期になると患者本人と1対1で向き合うことが多くなり、従来の小児科の考え方とはまた違ったアプローチが求められるようになります。乳児期、幼児期、学童期、思春期と、発達段階に応じて必要とされる看護のあり方は変わっていくのです。特に思春期は、自分らしさや夢を模索している時期のため、その人らしく大人になるための移行期支援が重要な課題となるのです。

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この学問が向いているかも 小児看護学

埼玉県立大学
保健医療福祉学部 看護学科 准教授
櫻井 育穂 先生

メッセージ

 看護の仕事には、コミュニケーション能力が重要です。笑顔が絶えない人、コミュニケーション能力が高い人は、看護師に向いています。ただ、人付き合いが得意ではないからといって、看護師に向いていないわけではありません。コミュニケーション能力は、日常の中でも高めていくことができます。
 友だちや家族との会話の中で、「この人は何を求めているのだろう」と気にしてみることも大事な勉強です。人や物事に興味を持っているなら、または興味を持とうという気持ちがあるなら、あなたも看護師に向いていると言えます。

先生の学問へのきっかけ

 母が保健師をしていたので、子どもの頃から地域の保健活動に参加していました。そうした中で、自然と看護師への道をめざすことになるのですが、小児科を選んだきっかけは、病院実習の際に小児科がいちばんうまくできず、悔しい思いをしたためでした。先天性疾患のある子どもを担当し、付き添いの母親と上手にコミュニケーションがとれず、悩み続けた実習期間でした。しかしのちにその母親から「櫻井さんがいてくださってとても心強かったです」という言葉をいただき、小児看護の難しさと同時に、楽しさ、面白さを感じることができました。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

看護師/助産師/保健師/養護教諭

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櫻井 育穂 先生がいらっしゃる
埼玉県立大学に関心を持ったら

 埼玉県立大学は、保健・医療・福祉の「連携と統合」を目指し、学科を超えた地域活動・研究活動を行っています。多くの優秀な若者たち、明日の社会づくりの希望を持った若い力がいつかそれぞれの地域や職場で、あるいは世界のどこかで、高い志と豊かな感性、深い知識や技術を持って貢献できる可能性を秘めた人材として育っていけるよう全力で応援します。

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