夢ナビ夢ナビは、さまざまな言葉をデータベースから検索・閲覧し、将来の進路を決める“きっかけ”を提供します。

講義No.09401

政治における経済の理解が国の未来を大きく左右する

「インフレ」や「デフレ」はなぜ起こる?

 「インフレ」や「デフレ」は、新聞やニュースなどでよく耳にする言葉です。インフレ(インフレーション)は物価が上がり続ける状況を指し、逆にデフレ(デフレーション)では物価が下がり続けます。モノを買いたい、モノを売りたいという需要と供給のバランスが崩れたときにインフレやデフレは起こりますが、なぜそのような現象が起こるのか、よく理解されていない時代もありました。例えばアメリカの近代史では、インフレの理解が進まなかったために適切ではない政策が推し進められ、国の経済が混乱したケースがありました。

成長路線を重視したケネディ大統領

 1953年にアメリカ大統領に就任したアイゼンハワーは、東側諸国との冷戦が始まった頃であったにもかかわらず、融和的な政策をとりました。国内経済も物価が安定し、健全な状態が実現できていました。一方、1961年に大統領となったケネディは選挙戦で、アイゼンハワー時代の経済成長率は低いという論争を展開し、旧ソビエト連邦に技術的にも経済的にも遅れを取っていると指摘しました。アイゼンハワーがバランスを重視した経済政策をとったのに対し、ケネディは大統領就任後、成長志向へと舵を切っていったのです。

インフレの理解が乏しく国が混乱

 次第にインフレの傾向が強まっていきますが、当時は、大企業や労働組合が賃金を引き上げたことでコストがかさみ、物の値段が上がっていると考えられました。「コスト・プッシュ・インフレ」の状態だと理解されたために、当時は物価上昇があまり問題視されず、次のジョンソン大統領も景気拡張政策を強めました。しかし結果的にはモノがよく売れて需要が供給を上回る「ディマンド・プル・インフレ」が強まり、社会が混乱してしまったのです。
 このように、ある経済政策が社会全体に悪影響を与えてしまうという事例を、過去の歴史から読み解くことができます。経済状況をどのように理解するかによって、政策も社会も大きく左右されるのです。

アイコン

講義を視聴する(1分)

アイコン

講義を視聴する(1分 その2)

アイコン

講義を視聴する(1分 その3)

アイコン

講義を視聴する(30分)

この学問が向いているかも 経済学

首都大学東京
経済経営学部 経済経営学科 准教授
高見 典和 先生

先生の他の講義を見る
メッセージ

 興味や関心は人それぞれです。あなたが好きなことに自信を持って取り組んでください。好きという気持ちは何にも増して学び続けるエネルギー源になるので、周りの意見に左右されずに進路を選択してもらいたいのです。自分の興味や関心がまだわからない人は、いろいろと試す中でそれを見つけることができるでしょう。
 また、社会は非常に複雑で多様なものです。決まった考えにとらわれることなく、複数の視点を持つように意識してください。先人の知恵や、思想上の貢献についても広く受け入れてもらいたいです。

先生の学問へのきっかけ

 私が10代だった1990年代はバブル崩壊があり、経済に大きな動きがあった時期でした。そのため日々、新聞やニュースで経済に関する報道に接したことで自然と経済に関心を持ち、経済学部に入学しました。とはいえ、最初は関心があるという程度でした。しかし、大学で受講した「経済学史」の講義がとても面白くて、以来、深く研究するようになりました。担当教授から教えられたのは、多様な視点を認め、自由に発想・考察することでした。それまでに学んだどの学問よりも重要なことを教えてくれたと思います。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

金融業総合職/製造業総合職/官公庁総合職 など

大学アイコン
高見 典和 先生がいらっしゃる
首都大学東京に関心を持ったら

 首都大学東京は「大都市における人間社会の理想像の追求」を使命とし、東京都が設置している公立の総合大学です。人文社会学部、法学部、経済経営学部、理学部、都市環境学部、システムデザイン学部、健康福祉学部の7学部23学科で広範な学問領域を網羅。学部、領域を越え自由に学ぶカリキュラムやインターンシップなどの特色あるプログラムや、各分野の高度な専門教育が、充実した環境の中で受けられます。

TOPへもどる