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講義No.09397

超高齢社会において、理学療法士は何ができるか

超高齢社会と理学療法士

 病気や障がいによって身体の動きが悪くなった人に対して、リハビリテーションを行うのが、理学療法士の役割です。しかし、理学療法が対象とするのは、病気やけがの人ばかりではありません。高齢期を迎えて身体が思うように動かなくなってしまった高齢者のリハビリテーションも、理学療法士の仕事のひとつです。さらに、リハビリの技術を予防に応用して高齢期を迎えても元気に暮らし続けることを支援することも期待されています。超高齢社会において、理学療法士の役割はますます増していくと考えられています。

高齢者を理解する

 高齢者と若者では、同じような病気や障がいであっても症状に大きく違う点があります。高齢者には、使わない筋肉や器官の機能が衰えていく「廃用症候群」が起こりやすいのです。例えば足のけがをきっかけに外出の回数が減ると、歩かないためにますます歩けなくなるといったことが起こります。それに加えて高齢者には、「老年症候群」と呼ばれる加齢にともなって引き起こされる症状もみられます。理学療法士が担当する患者のなかには疲れやすかったり、栄養が不十分だったりする人もいます。高齢者の健康状態は複雑ですから、理学療法士は病気や障がいだけでなく、廃用症候群や老年症候群も含めて幅広く勉強する必要があります。

心身に関わる

 高齢者のリハビリにおいては、心理面を無視して身体面だけで語ることはできません。心と身体は互いに影響し合っています。例えば、足腰がそれほど悪くなくても、歩くことに自信が持てずに買い物に出かけることができない、という高齢者がいます。理学療法士には、筋力トレーニングなど足腰を強くするリハビリを行うと同時に、外出に対する自信を深めたり、買い物に出かけようとする意欲を引き出したりするコミュニケーション力が求められます。

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この学問が向いているかも 高齢者理学療法学

首都大学東京
健康福祉学部 理学療法学科 教授
浅川 康吉 先生

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メッセージ

 日本に理学療法士という資格ができて50年あまりが過ぎました。理学療法士の働く場所は病院だけでなくスポーツ活動支援や高齢者介護予防事業など地域社会へと広がりつつあります。活躍の場が広がるということは必要とされる知識・技術も幅広く、高度になるということであり、それを支える研究も必要になるということです。あなたが、人の健康に興味をもち「人の役に立ちたい」という思いを持っているなら、ぜひ理学療法士の道をめざしてください。

先生の学問へのきっかけ

 親族に障がい者がいたことがきっかけとなり、私は理学療法士の道をめざしました。国家試験に合格し、理学療法士として病院で働きはじめ、やがて老人ホームや町の高齢者向け健康教室など病院の外でも仕事をするようになりました。こうした経験から高齢者を対象とする理学療法の重要性を痛感し、自身の専門分野としました。現在、高齢者が住み慣れた地域で自分らしく暮らし続けていくために、私たち理学療法士がどう関わっていけるかを考えながら、地域理学療法学の研究に取り組んでいます。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

病院 理学療法士/老人保健施設 理学療法士/自治体 理学療法士

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浅川 康吉 先生がいらっしゃる
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 首都大学東京は「大都市における人間社会の理想像の追求」を使命とし、東京都が設置している公立の総合大学です。人文社会学部、法学部、経済経営学部、理学部、都市環境学部、システムデザイン学部、健康福祉学部の7学部23学科で広範な学問領域を網羅。学部、領域を越え自由に学ぶカリキュラムやインターンシップなどの特色あるプログラムや、各分野の高度な専門教育が、充実した環境の中で受けられます。

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