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講義No.09395

ゲリラ豪雨や竜巻の発生予測に活用できる気象レーダーが登場

積乱雲の成長スピードは非常に速い

 ゲリラ豪雨と呼ばれる局地的豪雨や竜巻などにより、大きな被害を受けることが多くなってきました。ゲリラ豪雨も竜巻も、積乱雲が原因になっているケースが多いのですが、積乱雲は数分でどんどん成長してしまうため、一般的に使われている、おわん型をしたパラボラアンテナの気象レーダーでは、観測が間に合いません。
 一般的に気象レーダーは、電波を発射し、雨粒にぶつかって戻ってくる情報を基に、雨の強さや量を判定しています。アンテナを回して、一周したら高さを変えて観測するということを繰り返すため、雲の上から下まで観測するのに、5分から10分程度時間がかかり、発達するスピードが速い積乱雲を計測するのには、不十分なのです。

注目の「フェーズドアレイレーダー」

 そこで最近、注目を浴びているのが、ミサイル検知用に開発された「フェーズドアレイレーダー」です。128本のアンテナが埋め込まれた四角形の平面のレーダーを一周させるだけで、雲の下から上まで全体を観測することができます。スピードも速く、雲の中の雨粒の状況がわかる3D画像を得るまでの時間は約30秒しかかかりません。当初、「グランドクラッタ」という、地表の状況による誤検知をいかに取り除くかが課題となっていましたが、それもある程度解決されてきました。

コストが課題だが、防災には効果が高い

 しかし、フェーズドアレイレーダーが検知できるのは、半径60~80キロほどにすぎず、1台の費用も高額なため、全国に設置するのは大変です。しかし、急な気候変動を察知し、危険な場所にいる人に伝え、避難誘導をすることができれば、災害を防ぐことができます。狭い場所にたくさんの人が集まる各種イベントはもちろん、川沿いのキャンプ場など、急な避難が難しいところでは、特に効果が発揮されます。そのため現在もさらなる性能向上をめざして研究が行われており、コストダウンも含めて、将来が期待されています。

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この学問が向いているかも 宇宙利用工学

首都大学東京
システムデザイン学部 航空宇宙システム工学科 教授
牛尾 知雄 先生

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メッセージ

 宇宙利用の分野に興味があるなら、基礎となるのは数学と物理なので、高校時代からしっかりと学んでください。日本の教科書だけでなく、英語の教科書にも目を通してみることをおすすめします。日本の教科書は、ある程度知識がある人向けにポイントを絞って書かれているケースが多く、英語の教科書の場合は基礎から細かく説明してあります。
 ですから、あなたが難しいなと感じた分野でも、英語の教科書を読めば理解が深まるでしょう。英語自体はそれほど難しくはないので、ぜひチャレンジしてください。

先生の学問へのきっかけ

 高校時代は山岳部で、気象に関心はありましたが、研究者になるとは思ってもいませんでした。文系よりは理系、理学部は難しそうだから工学部、そんな感じで大学に進学したのが正直なところです。それでも、雷放電の研究が面白くなっていき、アメリカの大学院で博士号取得をめざしました。
 そこで、雷放電と積乱雲の発生データを組み合わせてみると、雷の発生位置と積乱雲の位置がいつもずれることに気づきました。理由を探っていくと、レーダーの分解能が悪いことがわかり、これをなんとかしたいと思い、今の研究を始めました。

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牛尾 知雄 先生がいらっしゃる
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 首都大学東京は「大都市における人間社会の理想像の追求」を使命とし、東京都が設置している公立の総合大学です。人文社会学部、法学部、経済経営学部、理学部、都市環境学部、システムデザイン学部、健康福祉学部の7学部23学科で広範な学問領域を網羅。学部、領域を越え自由に学ぶカリキュラムやインターンシップなどの特色あるプログラムや、各分野の高度な専門教育が、充実した環境の中で受けられます。

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