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講義No.09394

人工衛星を使うと、全地球上の降水データがわかる!

宇宙から地球の雨の降り方を計測

 NASA(アメリカ航空宇宙局)とJAXA(宇宙航空研究開発機構)が協力し、GPM(Global Precipitation Measurement 全球降水観測)計画が運用されています。これは地球全体の降水状況を測定するものです。各国が打ち上げた、GPMマイクロ波放射計を搭載した人工衛星が地球を周回しながら測定し、送られてきた複数のデータを組み合わせ、世界中の地表面の雨の分布を知ることができるのです。インターネットでは、GSMaP(Global Satellite Mapping of Precipitation)として、無料で公開されており、誰でも見ることが可能です。

現在、過去、未来の降水データがわかる

 インターネットで公開される情報は、過去の雨量データを積算したもの、設定した日時の降雨状況、今後の雨量データなど、さまざまです。2018年9月現在、緯度経度を0.1度の格子で区切った、1時間の分解能のものが配信されていますが、今後さらなる精度向上が期待されています。
 公開される情報は、人工衛星から送られたデータだけで作られるものと、地上の観測データやアルゴリズムを組み合わせて作られるものがあります。地上に設置された気象レーダーの方が、大量の情報を収集できますが、地球全体を計測するにはたくさんのレーダーの設置が必要となり、現実的ではありません。また、国によっては予算が厳しいので、宇宙を利用した気象データが意義を持つのです。

多方面から求められる降水データ

 開発途上国では特に、高性能な地上気象レーダーを設置する代わりに宇宙からのデータを重視しています。洪水や干ばつが発端となり、疫病の発生、政情不安などにつながることもあり、自然災害を防ぐことは非常に重要だからです。
 近年、雨量データは、航空、船舶、農業、保険など、さまざまな業界で活用されるようになっています。宇宙を飛び交う人工衛星が、世界中の人々の生活を守っているのです。

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この学問が向いているかも 宇宙利用工学

首都大学東京
システムデザイン学部 航空宇宙システム工学科 教授
牛尾 知雄 先生

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メッセージ

 宇宙利用の分野に興味があるなら、基礎となるのは数学と物理なので、高校時代からしっかりと学んでください。日本の教科書だけでなく、英語の教科書にも目を通してみることをおすすめします。日本の教科書は、ある程度知識がある人向けにポイントを絞って書かれているケースが多く、英語の教科書の場合は基礎から細かく説明してあります。
 ですから、あなたが難しいなと感じた分野でも、英語の教科書を読めば理解が深まるでしょう。英語自体はそれほど難しくはないので、ぜひチャレンジしてください。

先生の学問へのきっかけ

 高校時代は山岳部で、気象に関心はありましたが、研究者になるとは思ってもいませんでした。文系よりは理系、理学部は難しそうだから工学部、そんな感じで大学に進学したのが正直なところです。それでも、雷放電の研究が面白くなっていき、アメリカの大学院で博士号取得をめざしました。
 そこで、雷放電と積乱雲の発生データを組み合わせてみると、雷の発生位置と積乱雲の位置がいつもずれることに気づきました。理由を探っていくと、レーダーの分解能が悪いことがわかり、これをなんとかしたいと思い、今の研究を始めました。

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牛尾 知雄 先生がいらっしゃる
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 首都大学東京は「大都市における人間社会の理想像の追求」を使命とし、東京都が設置している公立の総合大学です。人文社会学部、法学部、経済経営学部、理学部、都市環境学部、システムデザイン学部、健康福祉学部の7学部23学科で広範な学問領域を網羅。学部、領域を越え自由に学ぶカリキュラムやインターンシップなどの特色あるプログラムや、各分野の高度な専門教育が、充実した環境の中で受けられます。

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