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講義No.08998

長期の治療を必要とする病気の子どもと家族をサポートする「小児看護」

人間が著しく発達する期間が対象の小児看護

 小児看護とは、一般に、0歳の乳児期から高校卒業頃までの子どもたちを対象とする看護を指します。生まれてすぐの新生児から思春期に至るまでに、人間のからだと心は著しく発達します。この重要な時期にある子どもたちの健康を守り、病気やけがの治療をサポートし、子どもとその家族に寄り添って支えるのが小児看護の役割です。

生活習慣病ではない、子どもの1型糖尿病

 活発で遊びたい盛りの時期に、治療が難しい慢性病を抱えて過ごさなければならない子どもたちがいます。その病気の一つが、1型糖尿病と呼ばれる、小児期に起こることが多い糖尿病です。1型糖尿病はインスリン依存型糖尿病ともいい、主に自己免疫の異常が原因とされています。中高年に多い生活習慣病の2型糖尿病とは全くの別物です。1型糖尿病では自分の体内でインスリンというホルモンを作ることができず、食事などで得たグルコース(ブドウ糖)を細胞に取り込めずに血管の中にあふれさせてしまいます。つまり、高血糖の状態が続き、放っておくとケトアシドーシスと呼ばれる昏睡(こんすい)状態に陥り、生命の危機に瀕(ひん)します。

1型糖尿病患者を成長に応じてサポート

 1型糖尿病では、1日数回の血糖測定をしながら、生涯にわたり毎日、インスリンを自己注射かポンプ注入し続ける必要があります。そうやって血糖値をコントロールすれば、通常の生活ができますが、子どもは「なぜ自分だけ毎日こんなことをしないといけないのか」という気持ちになりますし、学校関係者や友だちにも病気のことを理解してもらう必要があります。また、思春期を迎えると異性の目が気になったり、友だちと一緒に外食したりして、つい、血糖値管理を怠ってしまうケースも出てきます。小児看護は、子どもの心身の成長や変化に応じて子どもや家族がぶつかる問題を一緒に受け止め、病気とうまく付き合う方法を見つけていく役割も果たしています。

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この学問が向いているかも 看護学、小児看護学

大阪医科大学
看護学部 看護学科 准教授
山崎 歩 先生

メッセージ

 看護は、患者さんやその家族といった「人」を対象にする行為です。看護師は深い医療知識や技術を持っていることが大前提ですが、人間への関心や、他人を理解しようとする気持ちなしに良い看護はできません。
 小児看護では、子どもの視点に立ち、一緒に問題を解決しようとする看護姿勢が特に大切です。時には一緒に笑い、悩みを共有しながら、子どもの成長力や治癒力を生かせるような支援をめざしています。あなたが、子どもが好き、人間が好き、誰かのためになりたい、と思うなら、ぜひ、小児看護学の門をたたいてください。

先生の学問へのきっかけ

 私は子どもの頃、病気がちで、入退院を繰り返していました。病院で看護師さんにお世話をしてもらったり、励ましてもらったりしたことが看護師をめざすきっかけになりました。そして看護学生の頃、赤ちゃんが生活する乳児院にボランティアに行き、子どもの反応の素直さや子どもたちの生きる力のすごさに気づき、小児看護に強い興味を持ちました。小児看護は、患者である子どもと同時に、その家族の気持ちにも寄り添い、子どもが成長するにつれてぶつかる問題の解決方法を一緒に探していく、やりがいがある仕事です。

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山崎 歩 先生がいらっしゃる
大阪医科大学に関心を持ったら

 大阪医科大学は1927年の創立以来、「高度な医療職業人の育成」を標榜し、現在までにおよそ9,000名もの医師を輩出してきました。平成22年春に新たに看護学部を開設し医学部生と看護学部生がともに学べる学習環境を確立し、「医看融合教育」を実現。
 現代のチーム医療における医師、そして看護職者としての役割を学生時代から強く意識できる恵まれた医療教育の環境の中、社会に貢献できる高度医療人を育成します。

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