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講義No.03877

バイオメカニクスが水泳の未来を変える?

人間の泳ぎのメカニズムを分析

 いま、トップアスリートのトレーニングには、機械工学の考え方を応用した「スポーツ工学」の研究成果が生かされるようになってきています。人間や動物の動きをロボットで再現する研究が進み、例えばイルカ同様の動きで水中を泳ぎ回るイルカロボットなども開発されました。そうした研究では、イルカの動きのメカニズムを細かく分析し、イルカがどのようにして水中を効率的に泳いでいるのかを解明していきます。つまり、人間が泳ぐメカニズムを解明していくことによって、どういう泳ぎ方をすれば速く泳げるかということが、導き出せるというわけです。

トップアスリートから福祉にまで応用

 水泳を例にとると、人間の骨格と筋肉をコンピュータ上でモデル化し、クロールをしたときにはどの筋肉がどう動き、水中での抵抗はどのくらいになるのかなどを、シミュレーション解析していきます。こうした研究を、バイオメカニクス(生体力学)と呼んでいます。バイオメカニクスは、スポーツだけではなく、福祉の分野にも応用が可能です。身体に障がいのある人でも泳ぐことができるような補助具を開発したり、障がいのある人がリハビリをするにはどういう水中運動が適切かを分析したりできるのです。

トップスイマーの泳ぎ方はやっぱり理想的

 北京オリンピックなどで大活躍したアメリカのマイケル・フェルプスは、世界最速の水泳選手と言われ、ドルフィンキックを使った独特の泳法を特徴としています。水泳シミュレーションでこのドルフィンキックを分析し、どういう動きだと最速になるのか、シミュレーションを何百回も繰り返した結果、なんと、フェルプス選手とほぼ同じ動きが、理想の泳ぎ方であるとの結論が出たのです。このシミュレーションをさらに発展させていけば、もしかすると人間がいままで試したことのない、まったく新しい泳ぎ方を発見することができるのかもしれません。


この学問が向いているかも 機械工学、スポーツ工学

東京工業大学
工学部 機械科学科 准教授
中島 求 先生

メッセージ

 人間の体やスポーツには興味があるけれど、自分で体を動かすことが苦手なら、もしくは数学や物理が好きで、理系の目で人間を研究したいなら、スポーツ工学をめざすといいかもしれません。実は私も運動は得意ではないほうなので、自分がスポーツの研究に携わるなんて思ってもいませんでした。しかし機械工学だけでなく、スポーツ工学にも関わるようになって、研究の幅も、付き合いの幅も広がりました。高校生の間に、受験勉強で燃え尽きてしまわないように、一生付き合っていける興味の対象をぜひ見つけてください。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

スポーツ用品メーカー研究員、医療機器メーカー研究員、医療用品メーカー研究員、自動車メーカー研究員、ソフト開発会社システムエンジニア、機械メーカー研究員

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中島 求 先生がいらっしゃる
東京工業大学に関心を持ったら

 東京工業大学は、1881年の創立以来理工系総合大学として時代を切り拓いてきました。2016年には、大隅良典栄誉教授がノーベル生理学・医学賞を受賞するなど世界トップレベルの研究を行う大学として高い評価を受けています。現在、本学は日本初となる学部と大学院を統合した「学院」を設置するなど、大きな改革に取り組んでいます。学生が自らの興味に基づいて体系的に学べるカリキュラムを用意するとともに、全ての人がベストパフォーマンスを発揮できる教育・研究環境を実現して、よりよい未来の創造に貢献する人材を育てます。

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